Cursor を入れて、最初に出会うのが「Tab補完」だ。だが、それは入口に過ぎない。Cursor の真の生産性は、Composer・Agent・Bugbot という3つの応用機能を使いこなして初めて発揮される。
この記事では、Cursor の4大機能の仕組み・操作・実用シーンを実機解説する。すべて2026年5月時点(Cursor 3.x)で動作確認済み。
1. Tab補完 — エディタ体験の根幹
Cursor を起動すると、何もしなくてもTab補完が動き始める。これは GitHub Copilot と類似の機能だが、Cursor の精度は一般に1段階高いと評価されている。
何が違うか
- 複数行補完: 1つの関数全体、複数の関連変更を同時に提案
- 複数ファイル意識: 開いている他のタブの内容を参照
- 再リクエスト不要: Tabを押すたびに次の補完が連鎖
操作
- 提案が出たら Tab で受け入れ
- Esc で却下
- Cmd+→(Mac)で部分的に受け入れ
隠れた優秀ポイント
- ファイル内の他の場所を見て、命名規則やパターンに揃える
- テストファイルを開いていれば、テストの期待値に合うように実装を補完
- TypeScript型定義を参照して、戻り値の型に合わせた処理
これらが自動的に効くため、「気がつくと自然に書けている」感覚になる。
2. Composer モード(Cmd+I) — プロジェクト横断のタスク
Cmd+I (Mac) でComposerモードが開く。自然言語で、プロジェクト全体に影響する変更を指示できる。
使い方
Cmd+I
> 「ログイン機能を実装してほしい。
`pages/api/auth/` に必要なエンドポイントを作って、
`lib/auth.ts` でセッション管理、`components/Login.tsx` で
フォームコンポーネントを作って」
すると Cursor は:
- 関連ファイルを自動探索
- 既存コードのパターンを学習
- 複数ファイルを同時に生成・修正
- diff 形式で変更を提示
- 承認すると一括適用
Claude Code と同じ感覚の体験が、エディタの中で完結する。
Composer モードのコツ
- 具体的に指示: 「ログイン機能を作って」だけだとブレるので、ファイル配置まで指定
- ファイル参照を活用:
@filenameで特定ファイルを指示に含められる - 既存コードを示す: 「
api/users.tsと同じパターンで」のような参照は精度を上げる
3. Cursor Agent — 自律エージェントモード
「Background Agent」と呼ばれる、Cursor内の自律エージェント機能(2025年中盤〜)。
機能
メインのComposerモードが「対話形式での1ステップ実行」なのに対し、Agentは「長時間タスクを自律実行」する:
- ターミナルコマンドを実行(
npm test、npm run build等) - エラーが出たら自動的に修正を試行
- テストが通るまで反復
- 完了したら結果を報告
設定方法は、Composer起動時に「Agent モード」を選択するだけ。
実用例
> ESLint エラーが100箇所ある。
すべて修正してテストが通る状態にして
これだけで、Agent が:
- ESLint を実行してエラー一覧取得
- ファイル別にエラー修正
- 修正後に
npm testを実行 - テスト失敗があれば再修正
- 全て通ったら完了報告
「散らかった作業」を一括で片付ける用途で、特に効果的だ。
4. Bugbot — AIコードレビュアー
GitHub Pull Request のレビューを、AIが自動的に行う機能(2024年中盤〜)。
仕組み
- GitHub の PR が作成・更新されると Bugbot が起動
- 変更ファイルを解析
- バグの可能性、セキュリティ問題、コードスメルを指摘
- PR の comments として直接コメントを投稿
何を検出するか
- 明確なバグ: 配列インデックス外、null チェック漏れ、無限ループ
- セキュリティ問題: SQL インジェクション、XSS、認証漏れ
- パフォーマンス: N+1クエリ、不要な再レンダリング、メモリリーク
- コードスメル: 重複コード、長すぎる関数、命名問題
人間のレビュアーが見落とすパターンを、Bugbot が先回りで指摘する。
設定方法
- Cursor 設定 → Bugbot タブ
- GitHub Organization と連携
- レビュー対象リポジトリを選択
- PR作成時に自動レビュー開始
4機能を組み合わせる実例
実務での組み合わせ例:
シナリオ: 新機能の実装〜PR レビュー
- Composer モードで「ログイン機能を実装」と指示
- Cursor が複数ファイルを生成
- Tab補完で微調整(命名、コメント)
- Agent モードでテスト実行、エラー修正
- Git commit → PR 作成
- Bugbotが自動レビュー
- 人間レビュー(Bugbot の指摘も参考に)
この一連の流れが、1〜2時間で完結する。従来の半日〜1日かかっていた作業の劇的な短縮。
細かい便利機能
@file / @web 参照
Composer プロンプトで @filename と入力すると、そのファイル内容を文脈に含められる。@web で Webサイトの内容も参照可能。
コンテキストカスタマイズ
.cursorrules ファイルをプロジェクトルートに置くと、プロジェクト固有のルールを Cursor が常に尊重する(Claude Code の CLAUDE.md と同等の役割)。
モデル切り替え
設定で使用モデルを変更可能。Claude 4.5 vs GPT-5 など、タスクに応じて切り替える。コード生成は Claude、要約はGPT といった使い分けも可能。
まとめ
Cursor の4大機能(Tab補完、Composer、Agent、Bugbot)は、それぞれ異なる場面で力を発揮する。1日1機能ずつ慣れていくのが、無理なく身につけるコツだ。
- Day 1〜3: Tab補完だけで快適に作業
- Day 4〜7: Composer モードで複数ファイル編集を体験
- Week 2〜3: Agent モードで自律実行
- Month 2: Bugbot を Organization レベルで導入
Cursor の基本はCursorとは?VS Code互換のAIエディタを完全解説、チーム運用はCursorのチームプラン・実践活用法、他ツールとの比較は主要AIコーディングツール総比較で深掘りした。

